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● 歯の噂   ● あごの話   ● 口臭  
1.歯の噂
 
どこかで聞いた「歯の噂」。もっともらしく聞くけれど、果たしてホントかウソなのか?
 
1)むし歯はうつる?
うつります。生まれたての赤ちゃんの口のなかには、虫歯はいりません。虫歯菌は乳幼児期に、口移しや、スプーンや箸を共有することで、親御さんから感染することがわかってます。
また、一度くちのなかにむし歯菌がすみ始め、一本でもむし歯がうつるということもあります。乳幼児期には、食事の与え方に気をつけ、むし歯菌の好物である糖分を含む糖分を含むお菓子を与えすぎないように気をつけましょう。親御さんの心がけ次第で、むし歯菌のなりにくい口内環境を作ることは可能なのです。
 
2)乳歯は抜けてしまうのでむし歯になっても大丈夫?
乳歯はやがて抜けてしまう歯だから、むし歯になっても大したことはないだろう。永久歯を大切にすればいいんだ。そんな誤解をしている人が少ないようですが、それは大きな誤りです。
乳歯の下では永久歯が育っています。乳歯がむし歯菌に侵されれば、永久歯が正しく発育しなかったり、変色してしまう場合もあります。
また、むし歯が原因で乳歯が予定より早く抜けてしまうと、永久歯の生える場所がきちんと確保されず、歯並びが乱れる原因にもなります。
 
3)健康な歯は誰でも真っ白?
歯の色はクリーム色健康な歯というと、輝くばかりの真っ白な歯を思い浮かべがち。しかし歯の色は、多少個人差があるとしても、やや気味がかったクリーム色をしています。図のように、血液の通う歯髄や、薄い黄色の象牙質が、白い半透明のエナメル質を通して見えるために、歯の色はクリーム色にみえるのです。
ですから、「私の歯はどうして黄色っぽいのだろう」と、市販の歯のマニキュアなどを使用すると、かえって不自然に見えることもあります。
 
4)むし歯も歯周病も口のなかだけの問題?
むし歯も歯周病も症状が進行すると、細菌のだす毒素が血液を通って、臓器に炎症などを引き起こすことがあります。これを病巣感染といい、毒素に侵される臓器によっては、重い症状が引き起こされる場合もあります。口のなかだけの問題と考えず、早め早めに受診することが、身体のためにもなるのです。
 
5)歯は移植できる?
親知らずや、歯科矯正でやむなく抜く歯など、健康な歯であれば、歯が失われた別の場所に移植することは可能です。ただし、移植する歯の状態や、移植場所への適合の有無など、かなり条件が限定されるため、あまり一般的ではありません。また、歯は空気に触れるとすぐに乾燥してしまいます。一度乾燥した歯を、移植することはできません。
最近は、親知らずなど健康な状態で抜いた歯を、いざというときのために保管するティースバンクなるものが登場しているといいます。歯もリサイクル時代に入ったということでしょうか・・・・・・。
 
2.あごの話
 
顎関節症について
顎関節症は、男性より女性、とくに20歳代の女性に多い病気です。あごはものを食べたり話したりするのに欠かせない部分。それだけにこの病気になって不自由や不安を抱える人も多くいます。でも、決して珍しい病気ではなく、正しく手当てをすることで改善する病気です。
 
1)あごの構造と役割
両耳の前に手を当てて口を開けたり閉じたりしたとき、さかんに動く部分が顎関節です。
頭蓋骨の一部で上あごに連なった部分にある「下顎窩」というくぼみ、そこにはまり込む形で下あごに連なった部分にある「下顎頭」、その2つの間にあってクッションの役割をする「間接円板」から顎関節は成り立っています。
口を開くとき下顎頭は回転しながら下顎窩から外れて前に滑りだし、閉じるとき下顎頭は後ろに移動して下顎窩に収まります。このとき下顎頭と関節円板は、口の開閉に合わせて一緒に移動します。こうした顎関節の動きとそれに連動する筋肉の動きとそれに連動する筋肉の動きで口の開閉やものを噛むことができるのです。
 
2)顎関節症とは
顎関節症とは、あごの関節やそれに連動する筋肉・靭帯のトラブルによって起こります。症状としては、あごの痛み、口が充分に開かない開口障害、あごを動かすと「カクン・カクン」、「コックン・コックン」などと聞こえる関節雑音などが現われます。
日本顎関節学会では、顎関節症を次の5タイプに分類しています。これらの5タイプは、それぞれ複合して起こる場合があります。
Ⅰ型:筋肉の障害によるもの
側頭部からあご、首筋にかけての筋肉が緊張しすぎて硬くなり、血管が収縮することで痛みが生じる。鈍い痛みなのでその部位を特定しにくい。また、トリガーポイントとよばれるコリコリした「しこり」ができ、ここを強く押すと痛む。トリガーポイントができた場所によっては歯痛や頭痛も起こるため、診断がつきにくい場合もある。
Ⅱ型:関節包や靭帯の障害によるもの
簡単に言えば顎関節が捻挫した状態。関節円板や、関節を包む膜である関節包・靭帯が、何らかの理由で傷を受け、炎症が生じたことにより、あごを動かしたときに痛む。
Ⅲ型:関節円板の障害によるもの
関節の間にあり、クッションの働きをする関節円板の一部が伸びて前にずれたままになったために起こる。そのため、通常は一緒に働く下顎頭が、口の開閉に伴ない伸びてしまった関節円板に無理に潜りこんだり、元に戻ったりするため、「カクン」「コックン」といった関節の雑音がする。Ⅰ型に次いで多くみられる。
Ⅳ型:骨の変形によるもの
顎関節に強い負担が繰り返し、また長時間加わることで、あごの骨の表面が吸収されたり、新たな骨が作られたりすることがある。これは正常な反応でもあるのだが、これによって口の開閉時にゴリゴリ、ジャリジャリといったような音が発生する場合がある。また、骨を包む膜が炎症を起こして痛みが起こるケースもある。
Ⅴ型:ⅠからⅣのいずれにも当てはまらないもの
心身医学的な要素が原因と考えられる。
 
3)顎関節症を起こす要因
顎関節症はいくつかの要因が重なり、あごの耐久が限界となったときに起こると考えられています。その要因の代表的なものは、
(1)ブラキシズム
(2)ストレス
(3)生活習慣 です。
ブラキシズムとは上下の歯を食いしばりったり、歯ぎしりをしたり、カチカチと鳴らすことをいいます。これによって、咀嚼筋の緊張を高め、顎関節症の大きな原因になります。さらにストレスは、睡眠時や無意識のうちにブラキシズムを悪化させます。
また、いつも片側の歯だけでものを噛む、うつぶせに寝る、頬杖をつく、あごの下に電話を挟む、猫背の姿勢といった癖や生活習慣も、咀嚼筋や頚部の筋肉を強く緊張させるため顎関節症の発症に大きく影響しています。
 
4)顎関節症の治療
治療には、認知行動療法のように病気を引き起こした生活習慣上の原因を取り除くものと、物理療法・運動療法・薬物療法・スプリント療法・外科療法のような症状を改善させるためのものとがあります。
認知行動療法: 歯ぎしりや食いしばりをはじめとした、顎関節症を引き起こす日常生活のなかでの要因を認識し、それらを改善するように意識して行動する。
物理療法: 幹部を暖めたり冷やしたりして症状を改善する。
運動療法: あごを動かしたり、開けたりする訓練をする。
薬物療法: 症状に応じて消炎剤で炎症をおさめ、痛みを取り、筋肉の緊張を和らげる薬を用いる。
スプリント療法: スプリントとよばれる装具を使い、歯ぎしりによる害を防ぐ。
外科療法: 関節のなかを洗浄したり、癒着している部分を剥がしたりして、口の開きをよくする。
これらの治療は、歯科医師の問診・視診・触診および画像診断などによって正確な診断を受けてから行なわれます。その上で、患者さん自身によるセルフケアも症状の改善・回復には必要です。(下記の表参照)
顎関節症は一度症状が改善しても、むやみにあごを酷使したり、顎関節症を引き起こしやすい癖や生活習慣に戻ったりすると、再び発症することがあります。そうならないためにも、顎関節症の要因を積み重ねない生活を心がけることが必要です。
 

■■■■■セルフケア

(1) なるべく軟らかいものを食べるようにし、あごを安静にする。
(2) 食べものはひと口大に切ったり、あくびをするときはこぶしを下あごに当てたりして、口を大きく開けないようにする。
(3) 患部に1日数回、温湿布をする。痛みのあるときや痛みが強いときには、歯科医師の診察を受ける。
(4) あごや、あごの周囲を押して、痛みやコリのある部分を円を描くようにマッサージする。
(5) よい姿勢を保つ。
(6) うつ伏せ寝を避ける。
(7) ゆっくりしたあごの開閉、側方への運動、首や肩のストレッチ運動を行う(痛みのある場合は避ける)。
(8) 仕事や家事の合間に気分転換を取り入れる。
(9) 週に2〜3回程度、ウォーキングや水泳などの全身運動をする。
(3)や(4)などは、歯科医師から適切なやり方を聞いてから行いましょう。また、(7)や(9)などは、痛みなどの症状にあわせ、無理をしないようにしましょう。
3.口臭
 
1)口臭には種類がある
口臭には、大きく分けて「生理的口臭」「飲食物やタバコによる口臭」「病気による口臭」の3種類があり、それぞれメカニズムや予防法などが違います。
では、1つずつご説明しましょう。

(1)生理的口臭

生理的口臭には唾液の分泌量が低下することで生じます。
唾液には細菌の増殖を抑える働きがあります。そのため、唾液の分泌が減ってしまうと細菌が増え、口臭が発生しやすくなります。これが生理的口臭です(表参照)。

生理的口臭が起こるケース

◆起床時・・・寝ている間に唾液の分泌が減少するため
◆空腹時・・・食後2、3時間すると唾液の分泌が減少するため
◆緊張時・・・緊張やストレスで唾液の分泌が減少するため
◆老人性・・・加齢により唾液の分泌が減少するため
◆妊娠時・生理・・・代謝やホルモン分泌などの影響と考えられる

生理的口臭は誰にでもあります。あまり気にすることはありませんし、治療の必要もありません。予防法としては、食後だけではなく寝る前にも歯を磨く、食事をよく噛んで食べる、ガムを噛む、などがあります。

(2)飲食物やタバコによる口臭

にんにくやお酒など、飲食物の臭いも気になる口臭のひとつ。しっかり歯を磨いたのに口臭がきつくなってしまうことはよくあります。
これは、血液に臭いの分子が混ざりこみ、吐く息と一緒に体外に放出されるため。ですから、丹念に歯磨きをしても口臭が発生してしまうのです。
もちろん、これはいっかせいのもの。時間が経てば口臭はなくなります。、飲食物の口臭を気にする人もいますから、人と会うときや大勢の人が集まる場所へ行くときはエチケットとして、口臭が発生してしまう飲食物をひかえるようにしたいものです。
また、タバコの臭いも口臭としてあげられます。これは、口腔内の組織にニコチンやタールなどがこびりつき、しかも喫煙によって唾液の分泌量が減ってしまうため。こうしたことからも、タバコは止めたほうがよいとわかりますね。
 

(3)病気による口臭

病気による口臭には2つのケースがあります。1つは、歯周病う蝕(むし歯)など、口腔内の病気により口臭が発生しているケース。もう1つは、糖尿病や胃炎など、口腔内以外の病気によって口臭が発生しているケースです。このうち、多くは口腔内の病気が原因となり発生します。
病気による口臭は、病気を治すことによって改善されます。とくに口腔内の病気は適切な治療をすれば口臭がおさまるケースが多いようです。
また、病気ではありませんが、舌に菌や食べかすなどがたまってしまい、白くなることがあります。これを舌苔といい、口臭の原因になることがあります。最近では、舌をきれいにするブラシなどもありますから、活用してもいいでしょう。
ただし、口臭のない人でも舌苔はありますし、まったく舌苔がない状態は、あまりよくありません。気になる人は、自己判断で除去をせず、かかりつけ医にご相談ください。
2)本当に口臭がある?
近年、自分の口臭を気にするのが当たり前のようになっていますが、なかには口臭がないのにも関わらず、自分には強い口臭があると思い込んでしまっている場合もあります。
これを「自臭症」といい、心因的な原因があると考えられています。 あまり考えすぎず、もし「自分の口臭は臭いのでは」と思ったら、かかりつけの歯科医にご相談ください。

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