1.唾液とは
私達は唾液が出るのはもう当然と思い込んでいて、その有難さを忘れてはいませんか。
実はこの何気なく出ている唾液は自然の万能薬ともいわれ、私達の健康保持に大きく貢献していることが、現代科学によって証明されているのです。「よだれが多く出る子は丈夫に育つ」の言い伝えを聞いたことがあるでしょう。
ひとくち30回かむことによって、この“万能薬”は更に多量に分泌され、あなたの健康づくりに大きく貢献するのです。
2.消化吸収を助ける
デンプンを分解するアミラーゼという消化酵素が含まれ、胃腸での消化吸収を助けます。
また、粘液性のムチンなどの成分も含まれ、食べ物を飲み込みやすい形に包み込むと共に、口やノドの粘膜が食べ物などで傷つかないように保護しているのです。口の中の乾燥を防ぐことにより、舌の動きも滑らかになり発音をも助けているのです。
3.抗菌殺菌作用も
細菌に対する抵抗力をもつリゾチームや、細菌の発育を抑制するラクトフェリンなども含まれています。
小さな傷ができた時、なめた経験はありませんか。これは菌を抑える働きを期待してのことで、傷を化膿させるような菌の発育を抑える物質が唾液には含まれているからです。
動脈硬化の発症や老化と深い関わりをもつ活性酸素や過酸化脂質といった酸化力の強い物質の毒性を抑える作用もあるのです。
ペルオキシダーゼという酵素の働きにより、発がん性物質の毒性が弱められるという報告もあります。
4.丈夫な身体をつくる
老化防止ホルモンともいわれるパロチンには皮ふ、血管、粘膜などの新陳代謝を活発にしたり、脳細胞の成長を促したりする働きがあります。吸収されて血液の中に入り、骨や筋肉を丈夫にするのです。歯・骨格の成長や全身の活力を向上させるほか、口腔粘膜、食道、胃腸などの消化器系、血管系、とくに皮ふなどの増殖や活力に不可欠です。
5.むし歯予防も
歯の表層に起きるごく初期のむし歯を自然に修復するように働きます。
歯や粘膜についた食べかすによって口の中が酸性に傾むき歯が溶けやすくなった時に、口の中を清掃すると共に中性に戻しむし歯のできにくい環境をつくります。
歯の表面に皮膜をつくり保護すると共に、溶け出した歯の成分を元に戻す働き(再石灰化)がありますが、修復には溶け出しに比較して三倍の時間を要するために、早く進行を止めることが大切です。
6.百利あって一害なし
かめばかむほど唾液は多く分泌されるのです。自然の万能薬でしかも無限であります。
「噛ミング30(カミングサンマル)」をご存知でしょうか。平成21年7月に厚生労働省の歯科保健と食育の在り方に関する検討会が出した報告書のキャッチコピーで、「ひとくち30回以上噛みましょう」ということです。一日30品目以上をとり入れた食事を摂りましょうという意味合いも含まれています。
どんなにおいしいものを食べても、丸呑みしたのでは本当の味はわかりません。おいしくもなり、唾液も多量に出るのですから、かむことは百利あって一害なしということです。